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「再会」と呼べる「出会い」

第19章 廃墟と花嫁

本、聖書だったみたい。

罰当たりな事を
しちゃった

…それより



「エミ エミ!!」

「…う  ん」


良かった!
意識がある!!


「!!」

  

  ガ  バ  ッ




エミが慌てて私から
離れる。




「だめよ!
 触らないで!!」

「エミ  ?」


「私 わたし
 …また また…

 イヤァァァァア!!!」

「エミ!」


「ごめんなさい
 ごめんなさい
 ごめんなさい!!!」




膝に顔を埋める。
まるで全てを
拒否するかのようだ。


「エミ
 もう大丈夫なんだよ!
 助かったんだよ!」


「ぅあぁあぁーーーんっ」



子供が泣くような
号泣だった。

そうだ


吸精鬼が憑いていた時の
記憶は残っているのだ。



「エミ!
 エミは取り憑かれてた
 だけなんだよ!!
 だから何も悪くないの!!」

「違う! 違う!!
 私がいけないのよ!
 私のせいでミカちゃんが…!
 ゆーくんが!!

 あーーーっ!!」

「私は大丈夫だよ!
 大丈夫だから!!」

「あーーーーっ!!!」


駄目だ。
何を言っても届かない。



エミの張り裂けるような叫び


こういう事だったんだ。
ハクアが言っていたのは…。


エミは
堕ちてしまったんだ…。





   ド ォオオオーーン!!




?!!



「何?!」   



爆発音?!



  パラパラパラパラ…



天井から
粉塵が落ちてきた。


「…」


エミが顔を上げ、
不安そうに辺りを見る。

危ないかも…。


「エミ 行こう!」

私はエミを起こし、
再び手を掴んだ。


「嫌よ
 ミカちゃん置いてって
 私なんか置いてって!!」

エミは手を離そうともがく。
絶対離さないもん!!


「後悔や罪滅ぼしが
 そんなにしたいなら
 ここを出てからにして!!」


言い方、きつすぎるって思う。
けどエミには届いたらしい。
抵抗するのをやめた。


転がっている
男の人達は
こんな状況にも
何か反応をする様子は
無かった。


この人達も
ある意味犠牲者
…なんだよね。

考えると
胸が締め付けられた。


せめて
エミの事は
絶対助けなきゃ…!




私達は部屋を出た。











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