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「再会」と呼べる「出会い」

第20章 見送る人

「君は大丈夫なの?」

「あ? 俺?
ま 折れてたと思ってた足も
何故か全然ヘーキだし
またサッカーに打ち込むよ
これでもそこそこやれる方なんだぜ
チームから声かけてもらった時
親父に握り潰されたけど」

「そうだったのか!」

「学校の方は
固く口止めしといたって
言ってたからな
先生知らなかったのも
無理ないな」

「…勿体ないな」

井崎、
サッカーの才能は本物だったんだ。

握り潰されただって?
親なら後押しするもんじゃないのか?
それに学校も…
あの校長先生が
そのまま認めてしまうなんて…。

「応援してるよ」

「ありがと」

屈託ない井崎の笑顔。
これが本当の井崎優司。


「そんな君には友達いるの?」

次朗が井崎を
真っ直ぐ見つめた。

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