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「再会」と呼べる「出会い」

第20章 見送る人

「井崎優司君
じゃ ゆーちゃん かな」

次朗が朗らかに笑う。

その微笑みに毒は無かった。


「俺が君の捌け口に
なってあげるよ」

「な …ねぇだろ
だって俺らは」

「好きなものが一緒だし
 それに俺と君 
 なんとなく似てる気がして」

次朗の目が
何かを思い出すように虚空を泳ぐ。

「井崎建設とかそういうのは
俺にとってはどうでもいい事だしね
対等でいれると思うよ」

にっこりと
次朗が井崎に微笑みかけた。

「…お おぅ」

井崎が応じる。

「よろしくね ゆーちゃん」

次朗が右手を出す。

井崎はそれに
自分の右手を重ねた。

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