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「再会」と呼べる「出会い」

第20章 見送る人


「私
 ミカと友達になれてよかったって思ってる
 お料理も作れるようになったし
 私わがままで
 迷惑ばかりかけてたと思う

 けどね
 一緒にいてすごく楽しかったの
 
 あの…
 もし許してもらえるなら …だけど
 手紙 書いてもいい?」

「当たり前だよ!!」



ただ綺麗だったエミも
時々可愛く微笑むエミも
塗り固めたエミも
犯されたエミも

全てを繋いで
今ここにあるエミも

みんな友達だったよ


そしてこれからも


「さようなら  またね」

「うん」

エミは手を振りながら、
道の向こうで光になった。
眩しかったけど
私はいつまでもそんな彼女を目で追った。



濁天に戻ると、
次郎君と優司君が手を重ねていた。

なぜだろう

でも二人の表情は柔らかだったし、
そばに座る隠土先生も安心したような顔をしてたから、
きっと大丈夫。



後日、
エミから届いたエアメールには
「I found new love 」
の文字と一緒に
王子様みたいなイケメンと微笑む
エミの写真が一緒に入っていた。

あれ

どうやら
エミの積極性って元々あったものだったらしい。

「なんか俺
 後悔止まんねーんだわ」

その写真を見て、
優司くんが大きなため息をついていることを
手紙に書こうかどうか迷っている。

「ゆーちゃん
 これ確かドバイの富豪だよ」

「マジか?! 勝ち目ねーじゃん
 じろう俺を慰めろーーー!!」

とりあえず
「優司君がある意味ライバルになった」
とは書いた。


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