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先生、駄目ですっ……

第15章 カテキョとお嬢様 3

「そ、そりゃそうですよっ!! 帰ってきたら立派な研究者になっててすぐに私と結婚するんだからっ!!」

照れ隠しに怒りながら人差し指をビシッと先生の目の前に突き出す。

イギリスに旅立つ先生は私以外の人に見送りを断ってくれていた。

最後の二人きりの時間。

これが終わればしばらくは先生と会えない。

「じゃあ……行くな……」

先生がキャリーバックのハンドルを掴む。

「…………うん。いってらっしゃい」

「そんな顔すんな。ちゃんと帰ってくるよ」

よっぽどひどい顔をしてしまっていたのか、先生は笑いながら私の頭を撫でる。

「絶対ですよ……絶対に帰ってきてくださいよ……」

鼻の奥がつんとしたけど涙をこらえて笑う。

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