悪魔と天使
第1章 編入
*春side*
いつの間にか寝てしまって朝になったみたいだ。
まさかベッドで寝ないでも寝れるなんて初めて知った。
「.....っん.....」
ビクッ!!!
危ない、楓が起きるところだった。
実は、楓は寝起きが物凄く悪い。
人格が変わったかのような。
俺はそれで一回死にかけた。
族潰しだからだろうか、力が半端なく強いため、殴られたらもう一発でダウンする。
いつもは手加減しているから大丈夫だが、寝起きは手加減無しだ。
しかも、楓にその記憶はない。
これが最悪。
せめたくてもできない。
まず、中西を起こすか。
それから楓が自然に起きてくれたら大丈夫だ。
「おい、中西。」
「.....あ、れ?.....春..さん?」
「ちょっと来い。」
俺は中西を引っ張って、危険エリア(リビング)を出た。
そして、空き部屋に入った。
中西はようやく目が覚めたみたいだ。
「楓の寝起きの悪さは知ってるか?」
「全く。」
「楓はな、人に起こされるとそいつを殴り殺そうとする。」
「え!?」
「しかも、その記憶はない。俺も殺されかけた。」
「マジ...かよ。」
「あぁ、だから起きるまでここで待機した方が安全だ。」
「じゃあ、そうするよ。」
中西は納得してくれた。
まず命は助かったな。
これで大丈夫のはずだ。
「中西....いや、悠って呼ぶ、その方が呼びやすいから。」
「あ、うん。その方が俺も楽。」
さて、ここからが危険だ。