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悪魔と天使

第2章 親睦会


俺達は黙々とただひたすら走り続けた。
何も喋る事なく。
ただ走った。



「俺達の前って誰かいるのか?」



俺がずっと疑問に思っていた事を聞いてみた。
会長なら知ってると思ったからだ。



「あ?....そうだな....捷がいたような....会計の奴がいたな。」
「そうか。」



会計って誰だよ。
俺知らねぇーし。
あまり神南を宛にするのはよそう。
神南はあくまでも敵だからな。



「一ノ瀬もゴールする気か?」
「会長も?」
「俺は優勝しなくちゃいけねぇ。」
「俺は10位以内に入る。」
「......賞品が欲しいからか?」
「違う。頼まれたから。」
「そうか。」



何故か障害物が見つからない。
俺はずっと会長についていってたから。
........もしかして。



「東條、ちゃんとコース走ってんのか?」
「いいや。」
「は?じゃあ....。」
「近道だ。捷の指示だからしかたねぇよ。一ノ瀬も生徒会に頼まれたんだろ?」
「....まぁ。」
「じゃあ良いじゃねぇーか。」



流石副会長 有馬 捷。
裏の会長とも言われてるだけはあるな。
腹黒いやつめ。



俺達は一気にゴールした。
会長が1位で俺が2位。
当たり前か。
ズルしたからな。



「俺はこれで....。」



寮に帰ろうとしたその時だ。
ある人に呼び止められた。



「まだ帰ってはダメですよ。
まだ結果発表が残っていますし。
それに、ランキングの発表もありますから。ね!楓くん。」
「.....は、い。」



何故か逆らえない。
何か黒いオーラが見える。
それに目が笑ってないのが何よりも恐ろしい。



俺は仕方なく残る事にした。
仕方なくだ。


                          

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