悪魔と天使
第4章 テスト
落ち着いたら何処かに隠れようと思った時だった。
後ろから何かを投げられたので反射的にキャッチしてしまった。
そのキャッチが俺の人生を変えた。
「へぇ~ただのオタクじゃなさそうだな。」
「…………」
何も返す事が出来なかった。
後ろから何かを投げてきたのはこの学園で有名な不良。
ここはその不良の縄張りと言ったところか。
見た目は赤髪のイケメン。
ピアスがすごいけど。
こいつには目をつけられたくない。
「ぐ、偶然キャッチしただけです。」
「ククッ...偶然にしてはすげぇーな。普通の奴なら俺と会話なんてできねぇのにな。」
「…………」
マジか。
「お前、一ノ瀬楓だろ?」
「っ...何で知って...!」
「ある意味有名だからな。俺は鮫島 啓(サメジマケイ)だ。」
「知ってます。あなたもある意味有名ですから。」
「ククッ...やっぱり退屈しなさそうな奴だな。じゃあな楓。」
そう言うと屋上から出ていった。
俺はポツンと一人たたずんでいた。