テキストサイズ

純情ゲーム

第1章 Stage1 イージーモード

今来た道を早足で戻る。

いつもなら「なんであの人また帰ってんだろ」とか思われてないかな、なんて思いながら歩くけど、今はそれどころじゃない…!

今は私が楽しみにしていた、アイスクリームを買うお金がかかっているんだから。

生徒玄関に着くと、もうあの男の姿はなかった。

勢いよく階段を駆け上がっても、階段を使っている人は他にいない。

廊下を小走りで向かい、教室に飛び込んだ。

「あれ?どうしたの?」

ふっと柔らかく笑うのは、紛れもない長谷川君のものだった。

机に長い足を組み腰掛けていた長谷川君は、机から飛び降り私に向かってきた。

いきなりのことで、私は足を止める。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ