テキストサイズ

純情ゲーム

第1章 Stage1 イージーモード

「財布を、忘れて」

私は目を伏せながら、なるべく視線を合わせないようにした。
いつもの癖だ。

「そっか。じゃあ、これから暇なんだね」

長谷川君はゆっくりと私の目の前に立つと、そう問いかけた。

長谷川君が自分よりも10cmほど身長が高いのに、今初めて気付いた。

優しい声で問いかけられ、素直に頷いてしまう。

用事というのは、これからアイスクリームを食べにいく、というものがあるけど今更言えない。

「じゃあさ、僕と一緒に帰ってよ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ