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ピイトは渋々次のページを開く。

『王族から突然の依頼が舞い込んできた。
内容は魔王の封印と書いてあり、魔王の存在は聞いたことはあったが、正直おとぎ話だと思っていた。
しかし、魔王というイメージは世界の人間を恐怖に陥れ滅ぼす。そんな者が実在するのなら、世界はこんなに平和なはずがないのだが…。
私は直接話を聞いてみるため、世界の王族のトップである方に会いに行く。
まぁ世界で一番の権力を持ち、偉いとされているだけあって、やたら態度がでかい…

聞くところによると、その魔王というのは、この世界のどこかに魔境という島が存在し、言葉も話せる不思議な生物も多く、そこの王らしいのだ。
しかし、魔境に住む者は魔境から外へ出ることはほとんどなく、人間に敵対心どころか興味も示さなかったらしい。
ただ、魔境はそこの生物の縄張りであり、そういった猛獣のような特性も持つ生物がほとんどで、そして魔境という場所の周辺は潮の流れなどが複雑になっていて、遭難者などが偶然辿り着くなんて事はないらしい。
魔境の存在をどこからか嗅ぎ付け、向かった冒険家はいたらしいのだが、帰ってくる事はないとの事。
魔境に興味を示して旅行気分で行かれたりする人間がいると思い、魔境の情報は一切世に発信せず、地図にも魔境の存在は伏せているらしいのだ。　

ただ驚く事に魔王は、王族の会議に定期的に足を運ぶらしく、
格大陸の王は、魔王の存在、そして姿を知っているらしいのだ。
魔王は人間と交流を深めて、人間の知識を多く学び、魔境の生物を抑制し、いつか魔境も世界の一つの国として認めてもらいたいと思っていたらしい。
ただ、やはり魔王の容姿は人間とはかけ離れていて、格大陸の王達は気持ち悪いと、あまり話したがらない。
しかし、魔王の純粋に国を想う気持ちや容姿が違くとも、必死に学び、人と仲良くしようとしている姿に一人の女性が興味を示す。』