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炎魔境

第9章 存在

『その女性はなんと格大陸を束ねる王の17歳になる一人娘だったのだ。
会議が終わると格大陸の王は談笑したりしている中、魔王はなかなか溶け込めず少し離れた所から羨ましそうに見ていると、王の娘は魔王に優しく話しかけ、楽しそうに会話をしていたらしい。
その光景を見ていた王はその日の夜に魔王との接触を控えるよう娘に告げる。
しかし、会議の度に魔王が来ると娘は嬉しそうに微笑み魔王に手を振り、魔王も返す。
そして会議が終わると毎回2人は王宮の庭で散歩をしていたらしいのだ。

そして、時が過ぎ現在…今回の依頼の発端とも言える事件が起きた。
なんと、娘は妊娠をしていたのだ!
王が娘に問い詰めるとなんと魔王との子供らしく、すぐに中絶するよう説得するが娘は聞く耳を持たない。そして何度も説得にあたる…しかし中絶の一点張りな王に嫌気がさし娘は姿を眩ましてしまう。
魔境へ行ったのだと思い込む王は、王の直属の騎士団を集め、魔境の場所を探しだし、娘の奪還を命じた。
騎士団は複雑な潮の流れの情報で、そういった海域を調査するが…騎士団は王のもとには帰ってこない。
王は娘が魔王の子供を妊娠したなどと、世に知れたら王として生きていけないと考えだし、娘の安否より自分の立場を選んだ。
そして娘ごと存在を消そうと我々に依頼してきたのだった。
絶対の機密任務というのはそのためで、
封印というのは、王の直属の騎士団で勝てない以上、力ではどうにもならないと悟ったのだろう。
我々は王族が大嫌いだ。だけど魔境には興味があった。そうしてこの依頼を引き受けた。』

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