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「だって、冗談でしょ?」

第3章 「君何年生?」「1年生です!」

「どうぞ」

ベンチに座っていると、少年が缶コーヒーを差し出してきた。

「あ、ありがと。いくら?」

財布を出そうとすると、その手が押さえられる。

「いいですよ、これくらい」

「いやいや、さすがに年下に奢ってもらうのは...」

「俺が奢りたいんです。だめですか?」

困ったような上目遣い。
なにこれ、計算!?

そんなやりとりの間も、さり気なく私の手に触れている少年...。

その指先から目が離せないでいると、少年はクスッと笑って私の指にそれを絡めてきた。

「...っ!」

その感触に、思わず手を振り払って立ち上がる。

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