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「だって、冗談でしょ?」

第3章 「君何年生?」「1年生です!」

「...はぁ...はぁ...」

唇が離れた頃には、二人とも肩で息をしていた。

少年の手はまだ私の首に回されたままなので、顔は近いまま。

「あ...んたさ、...なんで...こんなことするの」

「...それは...もちろんあなたが好きだから...」

熱っぽい真っ黒な目に見つめられて、私は言葉を失う。

今まで付き合った誰も、こんなに真っ直ぐ、熱く想いを伝えてくれた人はいなかった...

「冗談、でしょ...?」

少年の瞳に一瞬、悲しみがうつった。

「なんで冗談だと思うの?」

「だって...私年上だよ?おばさん、とか思うんじゃない?」

年下にからかわれている...こんな私でも、そんなのプライドが許さない。

少年を睨みつけながらそう言うと、彼はきょとんとしてから笑い出した。

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