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「だって、冗談でしょ?」

第3章 「君何年生?」「1年生です!」

「名前は?」

さり気ない告白をスルーして、私は少年を睨む。

「え?名前って?」

少年は首をかしげる。

「あんたの名前!」

「え、さっきメモあげたでしょ!?」

...あ!
そいうえばさっき、電話番号をもらったとき上に名前が...

ポケットと鞄を一通りごそごそやって、ようやくお目当てのメモを見つける。

個人情報だぞーとスネる少年を無視して、その名前を読み上げる。

「杉村...環太(かんた)?」

「そ。よろしくね、紗和さん」

「いや、よろしくもなにも...」

メモを折りたたんで少年に突き返す。

「私は7つも年下に興味無いから。ごめんね」

あのキスには痺れたけど...でもまさか、中学一年生と付き合うわけにはいないもんね。

「...ふーん」

想像と違って、杉村くんは落ち着いている。

「ま、いっか。またそのうち会えるだろうし、少しずつ口説くとするか...」

そうつぶやくと、杉村くんは私からメモを受け取る。

「そのうちって...お店で変なこと言わないでよ!?」

「言わない言わない。とりあえず、楽しみにしてて」

何をどう楽しみにしていろというのか...杉村くんはニコニコしている。

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