
「だって、冗談でしょ?」
第5章 「こんな理由で電話しちゃだめなの?」
『あ、紗和さん!こんばんは!』
杉村くんの明るい声が聞こえる。
「こんばんは…ど、どうしたの?」
『いえ、とくに用事があるわけではないんですけど…』
よ、用事がないのにかけてくるの…!?
なんで!?なにが目的!?
「なにが目的…」
『え、ひど!ただ紗和さんの声が聞きたいなーって思っただけなんですけど、こんな理由じゃダメなんですか?』
当然のことのように言う杉村くん。
…つ、ついていけない……。
『そうだ、明日、一緒にお昼食べませんか?』
黙り込む私を気にせず、杉村くんは続ける。
「あ、ごめん明日は休講で、お昼からバイトなんだ…!」
好意をむき出しにしてくる相手からの誘いは、フワフワしたような、お腹の辺りが熱くなるような感覚になる。
それが気持ちよくて、でも気持ち悪くて、私はこの会話を早く終わらせたくて仕方がなかった。
バイトがあってよかった…!
傷つけてしまったかとも思ったが、それよりも今はこの不思議な感覚を自分の中から消したい気持ちの方が強かった。
『…ふーん。そっかー…分かりました。じゃあ、また…』
「うん、ごめん…!」
あからさまに落ち込んだ声に少し焦る。
『じゃ、おやすみなさい、紗和さん。夜遅くにごめんね』
やけに優しい声に耳元がゾワッとする…。
「おやすみ…」
そう告げると、私は慌てて電話を切った。
杉村くんの明るい声が聞こえる。
「こんばんは…ど、どうしたの?」
『いえ、とくに用事があるわけではないんですけど…』
よ、用事がないのにかけてくるの…!?
なんで!?なにが目的!?
「なにが目的…」
『え、ひど!ただ紗和さんの声が聞きたいなーって思っただけなんですけど、こんな理由じゃダメなんですか?』
当然のことのように言う杉村くん。
…つ、ついていけない……。
『そうだ、明日、一緒にお昼食べませんか?』
黙り込む私を気にせず、杉村くんは続ける。
「あ、ごめん明日は休講で、お昼からバイトなんだ…!」
好意をむき出しにしてくる相手からの誘いは、フワフワしたような、お腹の辺りが熱くなるような感覚になる。
それが気持ちよくて、でも気持ち悪くて、私はこの会話を早く終わらせたくて仕方がなかった。
バイトがあってよかった…!
傷つけてしまったかとも思ったが、それよりも今はこの不思議な感覚を自分の中から消したい気持ちの方が強かった。
『…ふーん。そっかー…分かりました。じゃあ、また…』
「うん、ごめん…!」
あからさまに落ち込んだ声に少し焦る。
『じゃ、おやすみなさい、紗和さん。夜遅くにごめんね』
やけに優しい声に耳元がゾワッとする…。
「おやすみ…」
そう告げると、私は慌てて電話を切った。
