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「だって、冗談でしょ?」

第5章 「こんな理由で電話しちゃだめなの?」

「紗和さん」

バイトが終わった19時、店を出ると杉村くんが立っていた。

「杉村くん…なんで」

「ごめん、迎えに来ちゃった」

照れたような笑顔から目が離せなくなる。

杉村くんは自然に私の隣に立って、手を握ってくる。


あ…ヒール履いてくるんじゃなかった…


杉村くんは困ったように見上げてくる。

「俺、やっぱり子供っぽすぎる?並ぶのは嫌?」

「ぜ、全然!こっちこそごめん…!」

思わず謝って、杉村くんの手を握り返す。

「…良かった、ありがと」

杉村くんは童顔だ。

中学生にしか見えない。

でも、だからこそ、こんな大人っぽい笑顔がたまらなく色っぽい。

見とれていると、杉村くんの顔が近づいてくる。

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