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「だって、冗談でしょ?」

第5章 「こんな理由で電話しちゃだめなの?」

静かに、唇が重なる。

「…ん」

初めてキスをした時のように、杉村くんは私の首に手を回して引き寄せる。

もう私、ヒールなんて履かない…!

徐々に激しくなるキスに膝が震える。
たまらなくなって杉村くんの肩にしがみつくと、私の首に回っていた手が、背中に下がってくる。

左手が腰に回ってきて、Tシャツの中に滑り込んでくる。

「ん…ぁっ」

唇をしっかり塞がれているため、言葉での抵抗ができない。

でも、身体での抵抗もできなかった。

杉村くんは私から口を離すと、荒く息をしながら背伸びして耳元に口を寄せた。

「ホテル…行こうか…?」

その言葉に一気に体温が上がる。

キスに酔った私は、杉村くんとのその先の行為に興味を持ってしまった。

頷いて歩きだそうとすると、近くの段差に躓いて転んでしまう。

「紗和さん!」

「痛…っ!」

そのまま道路に倒れ込んでしまう。




「…いたた…」

目を開けると、そこは見知った自分の部屋。

え…?

うそ、もしかして…



これって夢オチ!?

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