さよなら、またね。
第3章 不似合いな感情
どれくらいこの人の胸で泣いただろう・・・
「もう、大丈夫です・・・」
涙が止まって、呼吸も落ち着いた。「そう。良かった」耳元で安堵の息を漏らしながら、男性は私から離れた。
でも、泣いたあとは脚に力が入らない。
私も漏れなく。
離れた途端、フラッとよろけてしまった。
男性は再び私を支えると、近くにあった小さな公園のベンチに座らせてくれた。
「ちょっと待ってて」
それだけ言うと、いなくなってしまった。
5分程過ぎて、私が少し不安になったところに、男性は走って駆け寄ってくれた。
「ごめんね。自販機遠くてさ」
「ううん、ありがとう」
目の前に差し出された冷たいミネラルウォーターを素直に受け取った。
「ちょっとここで俺の話しに付き合ってくれる?」