さよなら、またね。
第4章 ひとりのふたり
唇を貪り尽くしたあとは、お互いに呼吸が乱れてはぁはぁと肩で息をする始末。
「久しぶりだ、こんなに余裕のないキスは。」
「私は・・・初めてかもしれません・・・」
ふたりで困ったように笑った。
「脱がせていいかな?」
「聞かないでください」
フッと笑った彼は、私のブラウスのリボンに長くてしなやかな指を絡め、スルッと解いてゆく。
ゆっくりとした動きに、心臓が跳ねた。
ブラウスのボタンに指がかかると、心臓の音が聞こえるんじゃないかと思うほど、ドキドキした。
「くすっ、そんな不安そうな顔で見ないでよ?壊したくなる。」
物騒なことを言う彼の目は、言葉と裏腹に優しい。
チュッと口づけると、ボタンはあっという間に外された。キャミソールを脱がされると、私の上半身はブラジャーだけの状態になった。
「可愛いね。君は着痩せするタイプなんだ?」
「恥ずかしい・・・」
「じゃあ、俺も脱がせてよ。」
コクっとうなづくと、私は彼の上着に指を這わせた。
細身のスーツは、彼の逞しい身体を際立たせているように、綺麗なフォルムだったから、脱がせるのはちょっと勿体無い気もしたけど、早くその下の素肌を見たい衝動にも駆られる。
私はゆっくりと上着を脱がせて、ソファーの上に掛けた。
薄いブルーのストライプシャツに映えるネクタイは、妙に扇情的で、スルスルと外す間も私の胸はドキドキと高鳴る。
シャツのボタンに手をかけると、焦りからか、上手く外せない。
「焦らすね。早く素肌で触れ合いたいんだけど?」
彼の笑い混じりの言葉に恥ずかしさは増すばかり。
「こうだよ。そう、上手。」
彼の手に促されて、ひとつずつ外していくと、想像通りの逞しい身体が露わになった。
鎖骨から肩に素肌に指を這わせて、彼のシャツを脱がせていくと、彼が「はぁ・・・」と吐息を漏らす。
私の中の女が目覚めていくのを感じた。