さよなら、またね。
第4章 ひとりのふたり
初めて言われる恥ずかしい言葉に、起ち上がった乳首を隠そうと、両手を胸の前に持ってくる。
だけど、その手はあっという間にひとまとめにされて、頭の上に押さえつけられた。
「隠しちゃダメって言っただろう?」
「恥ずかし・・・の」
「恥ずかしくないセックスなんてこの世に存在しないよ」
フッと笑った彼の目元は子供をあやすような優しさで、私は戸惑う。
この優しいヒトは、本当に私を抱いていいんだろうか?
この一夜の関係が、この人の心に重りとなって沈まなければいい。
セックスの最中にこんな事を思ったのは、もちろん初めて。
だけど、こんなに相手を気遣うのも初めてかもしれない。
ふたりで見つめ合いながら、想いを巡らせる。
「恥ずかしいこと、しよう。」
「うん・・・」