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さよなら、またね。

第5章 夢から醒めたら



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「おはようございます!」


元気のいい女性社員の声は、寝不足ぎみのコメカミに毒としか思えない。


ただし、そこは大人として、先日配属されたばかりの上司として、印象は大切に!の精神力で乗り切る。


「おはようございます」
微笑み付きで...ね。


どうせ、何をしても噂されるのなら良い噂のほうがいい。


例えば、

【既婚者なのに指輪がない訳】

【神戸の支社からの異例の栄転の訳】

とか。


余計な噂をたてられないためにもね。


とりあえず、目下社内で気になることは、僕のアシスタントの筈の女性社員の顔を、転勤3日目にして、まだ拝めてないことだ!


一身上の都合の有給らしいけど、新しい上司が配属されることがわかっていながらいい度胸だな。


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