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色にでにけり 恋

第11章 反省会

「賭けを黙っている上出先輩にも、

その原因を作った自分にも腹が立ちました。

もちろん保坂さんにも・・・・・・。

それにクラスメイトから聞いた話では、

保坂さんが勝敗に関係なく
絶対僕を水泳部に入れるんだ、
と言っていると・・・。

じゃあ何のために先輩が勝負を引き受けてくれたのか、

意味がないじゃないかと・・・。

許せなかった。」


遥暉は上出の腕にしがみ付き声を落とした。


「・・・こんな感情・・・汚いですよね。」


常人にとっては普通のことなのだが、

清廉な遥暉にとっては忌むべき感情なのだろう。

こんな負の感情を抱かせてしまったことが悔やまれる。


「仕方ないさ。」


「先輩が保坂さんとの勝負を受けてくれたのは、

僕の身体の事を皆に知られないようにする為ですよね。」



「ん。」


「それなのに、結局こんなことに・・・・・・。
ごめんなさい。」


「謝ってばかりだな。」






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