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色にでにけり 恋

第12章 教えて、先輩

遥暉の幼い言動とは対照的に、その興奮冷めやらぬ濡れた瞳が、上出を誘っている。



「これ以上は・・・嫌だといわれても・・・やめてやれない・・・から・・・。」



上出は遥暉を宥めるように髪を撫でた。


遥暉は上出の首に手を回し、呟いた。



「中学の時から先輩の事好きだったから-!

先輩のものになれるなら、耐えられるから。

お・・・女の子と同じ・・・先輩のものに・・・して・・・ほし・・・・・・ぃ。」



最後の方は聞き取れないくらいの小さな声。




--遥暉が・・・俺だけ・・・の

  ・・・もの・・・? 

  俺だけのハルキ----

  なんて甘い響きだろう。



静かな水面に一滴の滴が落ちた瞬間のように、上出の心を震わせた。



--そうだ主導権は遥暉にある。

  俺は、遥暉が作る水紋から
  
  逃れられない・・・・・・。




上出は何かが心の奥でうねり、形をかえたように感じた。






--これは欲望か?


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