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色にでにけり 恋

第2章 ’にほふひと’

二人の恋が成就してようやく2週間。


告白の後すぐ試験週間に入り、色っぽい雰囲気は殆どなかった。


上出からしてみれば、小学生のころから抑圧してきた遥暉への思いが解放されたこの2週間。

遥暉の些細なことで体を熱くしたが、

正直、ほんの数週間前まで片田舎で箱入り中学生だった遥暉に恋愛経験がある筈もなく、

上出は遥暉への積年の思いを一気にぶつけるのは躊躇われた。


ーー 一歩ずつ・・・・・ひとつずつ伝えよう。



遥暉をずっと大切にしたいと思う気持ちは変わらない。


結局、遥暉が素直に甘えてくるようになった分だけ、上出は生殺し状態でしんどい日々が続いていた。



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