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色にでにけり 恋

第16章 エピソード 2

月曜の朝、


朝6時半だというのに、ムシムシとした暑さに、俺は早速遥暉から贈られた扇子を取り出した。


さわさわと仰ぐとお香の良い香りが遥暉を思い出させて、自然口元が緩む。


「おはよう、上出君。朝から暑いね。」


丸山家の裏門で遥暉を待っていると遥暉の兄貴に声を掛けられた。


--若造が偉そうに扇子仰いで
  生意気と思われちゃ、
  マズイ。


俺は慌てて扇子を閉じた。


「お、おはようございます。」

「3週間で急速に夏になったようだね。」



そう言いながら、聡さんが扇子を開いて仰ぎ始める。


「あれ?聡さんそれオリジナル。」


聡さんがどうしてわかったのかという顔をした。



「それ、以前遥暉がスケッチしてた・・・。」


「ああ、そうなんだ?」


「遥暉の絵は何となくわかりますけどね。」


「へぇ、それはすごいな。」


「小学生の時からですから大体の事は・・・・・・。」


「ふ~ん・・・。」



少し間があって聡さんが顔を寄せて来た。



「遥暉の付き合っている子、知ってる?」


「へ?」

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