テキストサイズ

色にでにけり 恋

第3章 障壁


「やあ、上出君」


渡り廊下を渡りきったところで、誰かに呼び止められた。

振り向くと、ニッコリとほほ笑む教育実習生が水泳部のマネージャーと上出を見比べて尋ねる。


「告白タイムだった?」

「残念ながら、フラレましたぁ」

「違います」


マネージャーは楽しそうに返答したが、上出は聡が遥暉とのことを知っているはずもないのに、誤解されたくない一心で否定した。


「今、少しいいかな?」


聡の言葉に、マネージャーは「じゃね、考えといて。」と言って去って行った。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ