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色にでにけり 恋

第4章 宣戦布告

丁度聡がやって来て、上出に声をかけた。


「やあ、上出君。今帰りかい?
一緒に遥暉を迎えに行こうか。」

「はい。行きましょうか。」


上出は、要件は済んだとばかりに保坂泉の前を通り過ぎようとした。



「本当に踏ん切りついているなら、なんで丸山は享邦学院の水球部見学に付いて来るのかな。」


上出は振り返った。


「享邦学院に・・・・・・?」


「そうだ、今日も見学して来たぞ。

お前と下校の約束してるっていうから、少し前に学校に戻って来たんだ。」


「・・・・・・。」


「いつまでも丸山のポセイドンを気取ってんじゃないぞ、今は享邦学院の保坂海斗が丸山のポセイドンだ。」



保坂の言葉に、上出の心がザワリと揺れた。



遥暉を守るのが上出ではなく、他の誰かだと?


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