色にでにけり 恋
第4章 宣戦布告
「上出先輩、今日は少し遅かったですね。
何かありましたか?」
遥暉に訊かれて保坂の事を思い出した。
「ん、あのさ・・・・・・。」
藤蔭学園の門から藤棚へ下って来る長身の学生が遥暉を呼び止めた。
「ああぁぁっ―――ぁ!ハルちゃん、見ぃッけた。一緒に帰えろぉ~!!」
遥暉の後方から、上品な制服をだらしなく着崩した山口圭一が叫びながら走って来た。
掴み処がなくいつもふざけた調子の圭一は、上出と遥暉が付き合っていることを知っていて、あれこれ茶々を入れる。
人間関係に慎重な遥暉が自分から親しく交流をする数少ない人材。
「なんかいつも以上怖い顔してるけど、どうかしたのか?」
上出の顔を見て圭一が遥暉に尋ね
る。
「なんで俺のことを遥暉に聞くんだ?」
遥暉は苦笑して首をかしげる。
先ほどの話を遥暉に確認したい上出は、圭一の登場は歓迎できない。
「そんなだらしない奴が遥暉と同じ学園生とは、遥暉がかわいそうだな。」
圭一は上出より一級先輩にあたるが、上出は大抵の場合ため口で話していた。
何かありましたか?」
遥暉に訊かれて保坂の事を思い出した。
「ん、あのさ・・・・・・。」
藤蔭学園の門から藤棚へ下って来る長身の学生が遥暉を呼び止めた。
「ああぁぁっ―――ぁ!ハルちゃん、見ぃッけた。一緒に帰えろぉ~!!」
遥暉の後方から、上品な制服をだらしなく着崩した山口圭一が叫びながら走って来た。
掴み処がなくいつもふざけた調子の圭一は、上出と遥暉が付き合っていることを知っていて、あれこれ茶々を入れる。
人間関係に慎重な遥暉が自分から親しく交流をする数少ない人材。
「なんかいつも以上怖い顔してるけど、どうかしたのか?」
上出の顔を見て圭一が遥暉に尋ね
る。
「なんで俺のことを遥暉に聞くんだ?」
遥暉は苦笑して首をかしげる。
先ほどの話を遥暉に確認したい上出は、圭一の登場は歓迎できない。
「そんなだらしない奴が遥暉と同じ学園生とは、遥暉がかわいそうだな。」
圭一は上出より一級先輩にあたるが、上出は大抵の場合ため口で話していた。