
色にでにけり 恋
第5章 敵の正体
「それからもう一つ、この勝負を受けるための条件だ。」
「何だ。」
上出はゆっくりと確認するように話した。
「2週間後に補講テストがあるそうだな。
それに合格したら受けてやる。」
「俺には練習させないつもりか?!
卑怯だぞ!」
「どっちが卑怯だ。
どうせお前は部活でなくても、夜に享邦スポーツクラブで練習できるんだろう。
それ以前に、この補講テストに落ちたら退部処分で進級も怪しいそうじゃないか。
勝負に勝って遥暉が入部したって一緒に泳げるわけじゃなくなるぞ。
2週間で合格して俺との勝負にも勝てば、進級も遥暉も一挙両得ってわけだろう。」
