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色にでにけり 恋

第6章 もう一人のポセイドン

「いいじゃんか、付き合えって。」

「い・・・、いや・・・です。」

「なんでぇ、カラオケいこう。」


地下鉄のホームに降りると、女子高生が絡まれていた。

大勢の人が見て見ぬふりで通り過ぎるなか、泰弘も遠くに見える駅員に伝えた方が良いかと考えながら、周囲の反応もみ渡していた時、


「嫌がってますから、他当たったらどうですか。」


と、聞き覚えのある声が止めに入った。

「まっ、丸山君!?」

「-ん、だとぉ。」


泰弘が振り向くと、女子高生に絡んでいた男に遥暉が胸ぐらを掴まれていた。


「お?可愛いじゃん、お坊っちゃま金も持ってんだろ。お前が変わりに付き合えよ。」


「生憎、試験週間ですから遊ぶ余裕はありません。放してください。」


「洒落ぶっこいてんじゃねーよ。」


相手が拳を振り上げた瞬間、誰かがその拳を掴んだ。

同時に遥暉が相手の股間を蹴りあげていた。


「ぐっ!!」


相手は片手で股間を抑え、振り上げた腕が掴まれたままだったために、捕らえられた獲物のようにぶら下がっていた。

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