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色にでにけり 恋

第1章 学校へ行こう

上出は耳を疑った。


「おいっ!前後って・・・・・・」


上出が問いただそうとすると、後ろから爽やな声が聞こえた。


「おはよう、丸山君、上出君」

「おはよっ!ハルちゃん。上出、何が前後だって?」


上出が山口圭一をグッとにらんだ。


「な、なんか悪いこと聞いたか?」


上出の殺気に狼狽える圭一。


「・・・・・・痴漢のことです」

「あぁ、この時期から増えるよね。薄着になるし」


ぽそっと答えた遥暉に、当然のことのように相槌を打つ岡田泰弘。


優しい女顔で高3のわりに背が低めで華奢な泰弘は、藤蔭学園のマドンナだ。


遥暉の気の合う趣味の友達で、お互いの恋愛事情も相談し合う信頼する先輩でもある。

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