色にでにけり 恋
第1章 学校へ行こう
上出は遥暉を問いただす。
「触られたの胸だけじゃないのか」
「・・・お尻の割れ目をなぞ・・・ら・・・れ・・・・・・」
耳まで真っ赤になって答える遥暉に、藤蔭の3年生二人は憐憫の表情を浮かべ声をかけた。
「災難だったね」
「丸山も暑いだろうけど、ジャケット着ないなら、サマーセーターかベスト着た方がいいぞ」
「サマーベスト?」
「そう。シャツに手を突っ込まれたり、簡単にズボンに手が突っ込めないように少し大きめのものを着るといいよ。暑いんだけどね」
そういって、長めのベストを引っ張ってみせる。
小柄で可愛い泰弘が一段と華奢にみえる。
ーー逆効果な気がする。
他人事のように思いながら遥暉は泰弘に聞いてみる。
「岡田さんのサマーベストは痴漢対策ですか」
「う~ん、8割がたそうだね。季節的に帰宅時の風や雨の日の必要性が2割ってとこだね」
「上出、対策とらないとお前持続ないぞ。ハルちゃん、無頓着そうじゃん」
横からいつもは軽薄な口調の圭一も真面目な顔で話しかけてくる。
「触られたの胸だけじゃないのか」
「・・・お尻の割れ目をなぞ・・・ら・・・れ・・・・・・」
耳まで真っ赤になって答える遥暉に、藤蔭の3年生二人は憐憫の表情を浮かべ声をかけた。
「災難だったね」
「丸山も暑いだろうけど、ジャケット着ないなら、サマーセーターかベスト着た方がいいぞ」
「サマーベスト?」
「そう。シャツに手を突っ込まれたり、簡単にズボンに手が突っ込めないように少し大きめのものを着るといいよ。暑いんだけどね」
そういって、長めのベストを引っ張ってみせる。
小柄で可愛い泰弘が一段と華奢にみえる。
ーー逆効果な気がする。
他人事のように思いながら遥暉は泰弘に聞いてみる。
「岡田さんのサマーベストは痴漢対策ですか」
「う~ん、8割がたそうだね。季節的に帰宅時の風や雨の日の必要性が2割ってとこだね」
「上出、対策とらないとお前持続ないぞ。ハルちゃん、無頓着そうじゃん」
横からいつもは軽薄な口調の圭一も真面目な顔で話しかけてくる。