色にでにけり 恋
第7章 恋文
「お母さん!あの・・・。」
「どうかした?」
のんびりと振り返った母の顔を見て、ハタと気づいた。
――『僕の恋文知りませんか?』と尋ねるわけにはいかない。
血相を変えて話しかけて来たのに、次の言葉を紡げない息子の綺麗な顔をじっと見つめる。
丸山夫人は、遥暉があの紙片が無いことに気づき尋ねようとして、恥ずかしさに詞に詰まっているのを察し、遥暉の言葉をまった。
今ここで返してもよいが、思春期の男の子の羞恥を思うと、今は詮索をしないよう素知らぬフリをすることに決め込んだ。
「・・・・・・あ、あのぉ・・・・・・、制服は・・・・・・。」
「ああ、ジャケットならクリーニングに出しましたよ。」
「そ、そうですか。ありがとうございます。」
遥暉は結局言い出せず、お茶を飲む母に背を向けた。
「どうかした?」
のんびりと振り返った母の顔を見て、ハタと気づいた。
――『僕の恋文知りませんか?』と尋ねるわけにはいかない。
血相を変えて話しかけて来たのに、次の言葉を紡げない息子の綺麗な顔をじっと見つめる。
丸山夫人は、遥暉があの紙片が無いことに気づき尋ねようとして、恥ずかしさに詞に詰まっているのを察し、遥暉の言葉をまった。
今ここで返してもよいが、思春期の男の子の羞恥を思うと、今は詮索をしないよう素知らぬフリをすることに決め込んだ。
「・・・・・・あ、あのぉ・・・・・・、制服は・・・・・・。」
「ああ、ジャケットならクリーニングに出しましたよ。」
「そ、そうですか。ありがとうございます。」
遥暉は結局言い出せず、お茶を飲む母に背を向けた。