色にでにけり 恋
第7章 恋文
何処かで通学路で落としたのかもしれない。
とりあえず母に見られていないならいいとしよう。
「馬鹿だな・・・・・・古典の課題と言えばよかったんだ。
もともとそのつもりで短歌なんて書いたのだから・・・・・・・。」
そう呟きながら自分の不器用さに情けなくて、肩を落として2階への階段を上っていた時聡に声を掛けられた。
「古典の課題がどうした?」
「別に。」
「遥暉の部屋で話そうか。」
「はい。」
遥暉は聡を部屋に入れた。
上出からもらった短歌のメモをさり気無く畳み直しスマホケースに差しこんだ。