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色にでにけり 恋

第8章 クラスメイト

ここ数日の上出は、電車の中では殆ど何処かに凭れ身体を預けるようにして寝てしまう。


休みの日も用事があると言って、会ってもくれなかった。


もちろん連絡も繋がらないことが多くなった。


昨晩も裏門すぐに立つマンションを見上げ、上出の部屋を確認するが早々に電気が消えていた。



遥暉は、何も聞けないまま約束の2週間が終わろうとしていた。


--たった2週間なのに・・・・・・・

  以前同様に一緒に登校して

  いるのに・・・・・、

  先輩の心が自分に向いていない事が、

  こんなにつらいなんて。

  僕はいつからこんなに

  欲張りになったんだろう。


「・・・・・・はあぁ。」


 遥暉が窓の外を見て溜息をついた。



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