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色にでにけり 恋

第9章 マーメイド

ピッ!


ホイッスルと同時に、一斉に飛び込んだ。

遥暉のコースには殆ど飛沫があがらない。


「綺麗な飛び込みだな。」

「ブランクがあるって話だが、まずまずだ。」

「不思議だ。水の抵抗を感じないなぁ。」

「うん、綺麗だ。あの泳法を覚えたいんだ、特にターンからの加速。」


腕組みをしてチームメイトと遥暉の泳法について話し、食い入るように遥暉を見ている保坂。


「保坂っ!」


「来たか、上出。」


「貴様、遥暉に勝負の事を話たのか。」


「何も、お前との勝負の事を誰かに訊いたらしくて、
勝負の前に泳がせてくれというから、勉強を見てもらった礼に応えてやっただけだ。」




「遥暉から申し込んだ?」



上出は怪訝な顔をした。








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