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上出は黙って遥暉の泳ぎを見守った。

何度目かのターンで綺麗な遥暉らしいターンが披露された。


「早っ?!」

「あれだ!!見ただろう!!」


興奮したように保坂が叫ぶ。


その後のターンでも皆の感嘆が漏れた。


ところが、最終のターンで水面から遥暉の姿が消えた直後、プールの壁面に大きな水しぶきが上がった。


「?!」


上出は、咄嗟に遥暉のコースへ飛び込んだ。


遥暉の身体が壁に激突したのだ。


周囲のだれも状況が飲み込めず、
茫然としていた。