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短編集。

第1章 誘拐犯×お姫様






ガバッ


勢い良く起き上がる。


「美雨?」


光喜!


声が聞こえたほうを見るけど。


「お父さん」


光喜じゃなかった。


「美雨!?...みぅ...」


その隣にはお母さんがいて僕を見て泣いていた。


でもね?お母さんとお父さんに会えたのに僕ね?心が無いみたいに嬉しくないんだ。
ただ、胸に残ってるのは...。


光喜...。


「う、うぅ...」


光喜をかえしてよ...。


「かえしてよぉ...」


白黒で無音の病室に響くのは、僕の消えてしまいそうな声だけだった。



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