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短編集。

第2章 客×花魁




朝、目が覚めると男は消えていた。
そして昨夜、宴の約束をしていた男はもう店には来なかった。
心姫は、僕と男があっていたことを知らないのか
僕に男に裏切られたと泣きついてきた。


「心姫、そんなことはありんせん。
気を知ってき持ちなんし?大丈夫でありんす」


男と僕の関係を話すことなどできなかった。


「…っ…みきぃ、僕…もぉ、やだぁ」


泣いてるからか、標準語の心姫。


「大丈夫、大丈夫。心姫、泣かないで?大丈夫だよ。」


こんなことになったのも僕のせいなのに
綺麗事ばっかり喋る僕に腹が立った。

その後も、心姫は泣き続けて
自分の部屋から出てこなくなってしまった。



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