
短編集。
第3章 純粋くん×遊び人
あれから、1ヶ月たった。
「ゆーーーちゃんっ♪」
きゃーきゃーと叫ぶ女の子たちの間をかき分けて凌が俺の席に向かってくる。
「んー?どーした??」
今日は、凌の家で怖いビデオとか借りてお泊り。今は放課後だから。凌が迎に来てくれたらしい。
「んもー。どーしたってゆーちゃんっ
俺との約束忘れちゃったの?ぐすん」
と、ショボンとした犬の耳と尻尾が見えるほど落ち込んでる凌。女の子たちが可愛いとか言いながら写メってる。
「ばーか。覚えてるし!
ほら、泣かないで。行くよ凌」
パァーっと顔をあげた凌。
今度は尻尾をふって喜んでるみたい。
「お前は、犬かよ。」
「ん?」
「なんでもない。」
そう言って、凌と教室を出た。
