
短編集。
第3章 純粋くん×遊び人
最近、俺が嫌なこと。凌は女の子に人気だから、凌の周りには絶対女の子がいて。俺が話したくても近寄れないのが嫌だ。それに、凌にベタベタ触る女の子も嫌だ。
「....ちゃ....ゆー....」
今だって、手繋いでるけど。あんまり近くないのに、どぎつい香水の匂いムンムンするし。凌の匂いしないし。具合悪くなるし。俺の彼氏なのに彼氏じゃないみたい。
ちゅっ
「ん?」
「あー、やっと気づいた!
ゆーちゃんどーしたの?考え事??」
足を止めて、俺の方を見て言う凌。
「...。」
「ゆーちゃん?」
あー、身長高いし。スタイルいいし
なんでお前こんなにかっこいいんだよ。
だから、女だってチョロチョロついてくんだよ。
「........。」
「…?ゆーちゃん??」
なんで、そんなに優しいの?
なんで、そんなに優しい声してんの?
ねぇ?なんで、なんで?なんでなの?
「…ぅ…っく」
「…!?ゆーちゃん!??どーしたの」
なんで、ほんとお前まじでそんなんなの。
もっと、かっこよくなくて。
身長だってなんだってちっちゃかったらいいのに。
「ほんと、お前やだっ」
「ぇ?俺、なんかしちゃった?ごめん」
ほんと、その優しい性格だって。
もっと、短気で性格悪かったら良かったのに
「ほん、と…やだぁ」
「ゆーちゃん、ごめん」
凌は、なんも悪くないんだ。
俺が悪いんだ。俺が、くそだから。
