短編集。
第1章 誘拐犯×お姫様
「そーだ。光喜ってやっぱり誘拐犯なんだよね?」
ずっと、思っていたこと。
「そーだけど。帰してほしい?」
悲しい顔でいう光喜。
「んーん。帰りたくない。光喜と居たい。」
これは、僕の本音。
「ほんと?俺とずっと一緒にいてくれるの?」
「あたりまえだよ。僕たち両想いなんだよ?
離れられるわけないじゃん。光喜は離れられるの?」
今度は、僕が悲しい顔をする。
ちゅ
不意にキスされる。
「俺はずっと美雨と居たい。離れたくないよ?」
その言葉を聞いて僕は泣いた。
「美雨のお母さんとかお父さんには悪いと思ってる。
でも、俺はそれ以上に美雨が好きなんだ。
だから、美雨を離すつもりも帰すつもりもない。」
僕は一晩中泣いた。