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白の歌姫

第2章 鎖

梨杏は、白のワンピースが似合う華奢な少女だ。
ぱっちり二重に、綺麗な黒髪、小さな紅唇に淡く微笑みを宿す。
誰がみても美少女なのは間違いなかった。


そんな可愛らしい少女を、小さな小さな音楽室で朝から二人きりで指導し、他のクラスでは窓を開けるにも関わらず、一切窓を閉め切り指導する高橋。
『二人は恋仲』
学校中が噂するのは無理もないことだった。
他の講師に指導させることさえも高橋は拒む。

三波梨杏の歌声は、高橋だけが知っている。
他は誰も彼女の声さえ聞いたことがなかった。

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