
白の歌姫
第3章 もうひとつの旋律
早朝、梨杏は登校した。
指導まで時間はあったが、暑くなる前に学校に来ようと思ったからだ。
けれど、実際は昨日のように結城の指導を観たくなかったからというのが本当の理由だった。
学校に入ってもまだカセットを切らずそのまま小さな音楽室に向かう。
昨日の音楽室の前を通り掛かるとき、身体が強ばった。
この音楽室は自分とは、違う世界。
そっと中を覗く。
けれどまだ中には誰も居らず、梨杏はホッとして、小さな音楽室に向かった。
いつものように扉を開けた。
風が、髪をかすめる。
風。
小さな音楽室に風が吹く。
窓が開いていた。
指導まで時間はあったが、暑くなる前に学校に来ようと思ったからだ。
けれど、実際は昨日のように結城の指導を観たくなかったからというのが本当の理由だった。
学校に入ってもまだカセットを切らずそのまま小さな音楽室に向かう。
昨日の音楽室の前を通り掛かるとき、身体が強ばった。
この音楽室は自分とは、違う世界。
そっと中を覗く。
けれどまだ中には誰も居らず、梨杏はホッとして、小さな音楽室に向かった。
いつものように扉を開けた。
風が、髪をかすめる。
風。
小さな音楽室に風が吹く。
窓が開いていた。
