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SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ

第11章 悲しみに捧ぐリコリスの花束を

2.2.5

夢を見た。
ガウリイが、久しぶりに夢に出た。
でも、悪夢じゃない。隣には、ちゃんとゼロスがいてくれる。
震える体を抑え、ゼロスの指に、自分の指を絡ませる。
あたしがにっこり笑うと、ゼロスも笑顔を返してくれた。

「ガウリイ」
「・・・!リナ」

彼の隣にはあの、彼女。
鋭い眼光を、こちらに向ける。

「あたし、もう。
ガウリイがいなくても平気よ」
「・・・ああ、そう、らしいな」

夢のガウリイも優しくて、寂しそうに、笑った。

「あたし、ガウリイを忘れたくはない。
でも・・・



あたしは、ゼロスに何回も抱かれたわ。
・・・それはね、好きだから。
ごめんなさい、ガウリイ。あんな、中途半端で逃げたりして。
もう、逃げないって決めたわ。


あたしね、ゼロスと一緒にいたい。
そばにいるのは、ゼロスじゃなきゃだめなの。
・・・最低だよね。わかってる。
節操なしって、笑って。人類を裏切る覚悟さえしたあたしを、下卑してもいい。

だから、許してね、ガウリイ。
あと、・・・




シルフィールと、お幸せに」

ようやく、夢の中で言えた、祝福の言葉。それもこれも、ゼロスのおかげだったことをーーガウリイに、伝えたかった。夢で予行練習なんて、最低だけど、今度は、現実で伝えるの。ゼロスに、ガウリイに。面と向かって、ちゃんと、濁さずに。

「・・・リナ・・・」
「・・・りな、さん・・・」
「もー、そんな顔しないの。
今度は、夢じゃなく現実で会いに行くわ。待っててね・・・ガウリイ」


「だから、心配しないで、


あたし、ゼロスが好きなの。・・・ガウリイ、・・・ごめんね。
・・・・・・ずっと、あたしはゼロスと一緒に、いるから。見守ってて。なにがあっても・・・離れないないようにーーー・・・」


ようやく、ゼロスに向き合える。
そう、覚悟を決めた夢が、まさか。

あんなことを、引き起こすなんて・・・・・・思いもしなかった。



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