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SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ

第11章 悲しみに捧ぐリコリスの花束を

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「な・・・貴様・・・!」
「おかげで良いサンプルがとれました。もう、この方に用は有りません。好きにしてください」

青年は冷たく放ち、少女を彼へと手渡した。
・・・その、手渡す際の、青年の瞳は・・・寂しそうで。

「ゼロス。お前、無理して・・・」
「なにを仰っているんですか。
・・・無理など、していませんよ。


とにかく、もう二度と【あなた】に関わることはないでしょうから・・・




さようなら。」

ゼロスは、優雅に一礼すると、空間にかき消えた。
ガウリイはまだ眠る少女を見る。別れる前とまったく変わらない姿形の少女。ーーだが、シルフィールは睨み。

「なんて勝手な・・・!
ガウリイ様、放っておきましょう!」
「・・・とにかく、あいつの伝言をリナに伝えないと・・・宿に戻ろう」


****


「ん・・・?」

少女は、薄く目を開いた。
ーーー森、ではない。何処かの宿屋だった。
なんで・・・ゼロスが、連れて来てくれた・・・の?

「・・・リナ」
「・・・!





・・・・・・・・・ガウリイ」

どうして、ガウリイが?
少女はまだ、夢の中だと思った。が。

ーーーガウリイの、言葉で。
リナは現実に戻されてしまうーーー


「リナ。
ゼロスから伝言だ。


『いい、実験体になってくださって、ありがとうございます』



・・・・・・そう、言った」


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