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SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ

第11章 悲しみに捧ぐリコリスの花束を

【第三章】

3.1 覚悟

しばらく抱き合っていた少女と青年。日が沈み、闇夜に包まれたことに気づいた青年は、名残惜しそうに少女を離した。

「それで、リナさん」
「・・・?なに?」

少女も、離れた冷たい体温に、少し寂しさを感じながら、青年の問いかけに応えた。
くすりと、嗤う声。

「もっと、くっついていたい気持ちはわかりますけど・・・くっつくなら、夜。ベッドの上にしましょうね?」

青年の言葉に、少女は顔を真っ赤にして何か言いたそうにした後、それでも久しぶりのやりとりに嬉しくなり自分もくすりと笑った。

「さて、これからどうーー・・・」
「あたし、覚悟を決めた。









ガウリイと、シルフィール。
2人と、ちゃんと。



しっかりと、向き合うって」

少女の顔に迷いはない。
そこにあるのは、確固たる意思。
青年が惹かれて止まない、あの青年たちと旅をしていた時と同じーーそれ以上の、強さを放つ表情。

「でも・・・」

少女の顔が、少し陰る。
青年はわかってしまった。
まだ、怖い・・・
覚悟は決まった。いや、だからこそ。
・・・・・・一人であの2人の前に行くことが。

「まだ、勇気はない。
一緒に、行ってくれる・・・?」
「・・・もちろん。ご一緒しますよ。何処へでも・・・」

恭しく、少女のか弱い手にキスを落とす。姫に忠誠を違う騎士のように。

「ありがとう・・・ゼロス」
「いいえ・・・では、明日改めて行くことにしましょうね。
今日はとりあえず暗いですから、休みましょう。 」

ゼロスに連れられ、少女は昨日まで滞在していた宿屋へとチェックインを済ませ、部屋を一つとった。
その際、青年に『ベッドはシングルで構いません』と言われ、真っ赤になったリナに、不思議そうに首を傾げる青年は小さくリナに耳打ちをしていた。『僕、魔族ですし・・・睡眠は必要ありませんから。』というセリフに、リナは更に顔を真っ赤にしていたーーー


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