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SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ

第11章 悲しみに捧ぐリコリスの花束を


「あたしは・・・もう、ガウリイには頼らない。
ゼロスが、いてくれる。だから、けじめをつけに来たの。」

強く、凛と。
呆然としているガウリイに言い、にっこり笑った。
ガウリイは黙っていた。
いや、黙ったまま、ゼロスを睨め付けていた。

「あの時。なぜリナを突き放した?」
「あれは、僕とリナさんの問題です。あなたはなんの関わりもない」
「ふざけるな!」

憮然とした態度のゼロスに、ガウリイは怒鳴り散らす。しかし、ゼロスの方も、最初の責任はガウリイにある、とでも言いたげな視線を、ガウリイに送った。
ーーー最初に、リナを突き放したのはガウリイだと。

「今は、また。リナと恋人になりたいと思っている。リナ、オレの所にこい!そして、また旅をしよう。」
「ガウリイ。
シルフィールはどうする気なの?あんな傷を負わせたのよ。守って・・・」
「あの傷は嘘だ。シルフィールは、怪我すらしていない。・・・だから、オレは別れを何度も切り出した。愛しているのはリナだと。
今でも・・・今でも愛しているのはリナだと!!」

あまりの驚愕の事実。
幸せだった、ガウリイとリナを引き離す引き金だった、シルフィールの大怪我はーー嘘だった。
リナは突きつけられた真実に、顔を強張らせる。

ーーあれだけ、傷ついて。悪夢にまで苛まれて。不眠症で悩んで。死のうとまで考えたーーガウリイとの別れは・・・意味のないものだった。

さっきまで、覚悟を決めたと思っていたのに、がらがらと崩れて行く。
ーーー逃げたせたら、どれだけ楽だろう?
更にーーガウリイの告白もリナの頭をぐるぐると回る。

なに?なんなの?
嘘?シルフィールの怪我は・・・う・・・そ・・・?

「・・・・・・嫌です・・・・・・私、ガウリイ様と別れたくない!!!」
「ーーー!!」

シルフィールが向けていたのは、銀に鈍く光る短剣だった。
彼女の方も、ガウリイに暴露されたせいでヒステリーを起こしている。
ーーー目が、いつもの彼女の穏やかなものではなかった。



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