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SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ

第11章 悲しみに捧ぐリコリスの花束を

◇エピローグ◇


「ただいま、ガウリイ、シルフィール」
「おかえり、リナ。」

懐かしい友人を招き入れ、そしてその友人に会うために集まったかつて少女と青年の仲間たちは嬉嬉とした面持ちで2人を歓迎する。

「リナさん!」
「アメリア。久しぶり」
「リナ・・・」
「ゼルも。久しぶりね」

少女の恋人である魔族はにこにこ笑顔を貼り付けながら宙に浮いて再会を喜ぶリナたちを見つめていたが、なにやら気配を感じ、その方角を恐る恐る見やると。




「リナ。」
「いっ?!



・・・・・・る・・・ルナ姉ちゃん!?」
「よくも五年も音信不通にしてくれたわね。随分良い度胸してるじゃない?ねえリナ、獣神官」

凍てつく様な瞳で射抜かれ、ゼロスは苦笑いでリナのとなりにふわりと舞い降りた。
相変わらず、ルナは少女と青年を見ている。

「・・・ちょっと、お話があるわ。・・・リナ、獣神官。表へ出ましょう」




******


セイルーンの町並みを、世界最強ウェイトレスことルナ、その妹のリナ、そして少女の恋人であり高位魔族のゼロスがゆったりと歩く。
しばらく黙っていたルナが、小さなため息を漏らして2人に向き直った。

「リナ」
「・・・はい」
「・・・まあ、あなたが選んだ道よ。苦労するのもあなた。それは、構わないわ」

それはあまりにも呆れを含んだ声色。少女は、今になって気付いた。姉に、かなりの心配を掛けてしまったことに。
リナの姉への恐怖心が、却ってアダになっていた。
怒られるのを覚悟で、それでもゼロスとは離れたくないとちゃんと伝えようと、少女は言葉を選んでいた。
若しかしたら、引き離されるかもしれない。故郷に連れ帰られるかもしれない。
そんな不安から、迂闊なことも言えない。

そんな焦る自分の妹を見つめて、ルナはクスリと笑い。

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